『幕末太陽傳』は「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」など、落語をモチーフにした時代劇。粋でかっこいい、こんな映画は初めてだ。
幕末太陽傳 あらすじ
まず、冒頭、現代(昭和30年代)の品川の風景が写され、赤線地帯の「逆さクラゲ」の看板から、文久二年の品川遊郭・相模屋へ移動していく。
- 赤線地帯…当時の売春地区
- 逆さクラゲ…連れ込み宿、ラブホテル
一文無しで女郎屋へ居続ける佐平次を中心に、幕末の志士や女郎たちの悲喜こもごもが描かれます。
豪遊を決め込み、持ち前の才覚で女郎屋で頭角を現す主人公・佐平次をフランキー堺。
高杉晋作に石原裕次郎、二谷英明、岡田真澄、その他豪華キャストが揃い踏み。(ちょい役で二代目水戸黄門、西村晃さんも出演)
死があるからこそ、生が輝く
佐平次のフランキー堺さんが、本当にかっこいい。当時、人気絶頂の石原裕次郎を向こうに回して、一歩も引かない。それどころか上回る存在感。
肺病を病み、死を間近に感じてなお、生きることに貪欲な佐平次。幕末のご時世を己の才覚で泳いでいくその姿がユニークで、時にシリアスで。
死が身近にあるからこそ、生は濃厚で華やいでいく。
「地獄も極楽もあるもんけぇ、おいらはまだまだ生きるんでぇ!」
このセリフ、ただただ、かっこいい。
現代は、死を遠ざけ、生だけをもとめてしまうから、今ではこんなに輝いていないんだと思う。
幻のラストシーン
川島雄三が考えていたラストシーンは、佐平次が時代劇のセットを抜け、昭和30年代の、町並みをどこまでも走って行くというものだったのだとか。
その辺りの話が漫画『栄光なき天才たち』に描かれています。
